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ジャズの印象批評

 多くの日本のジャズ研究は長い間、印象批評の域をでなかった。そのミュージシャンの人となりや人脈や師弟関係を取り上げ、その音楽との関係を記述する、往々にしてジャズメンの破天荒ぶりにフォーカスし、ドラッグが音楽に与えた影響などに言及するという作風が多かった。そのこと自体に罪は無く、音楽史というジャンルが成立するのであるから、そういう事実を実証的にたどってゆくのもれっきとしたジャズ批評であるとはまちがいないのであろうが、同時にジャズ研究においても音楽理論に基づいた研究がもっとなされてもよいはずである。日本のジャズ批評でこのような音楽理論に基づいた研究を行っているのはほんの数えるほどしかいない。

 図書館で『チャーリー・パーカー技法』を借りて、駅前の本屋で『憂鬱と官能を教えた学校』を買って、Amazonで『東京大学アルバート・アイラー』を購入する。

 『技法』はさすがに歯が立たない。いろいろ言われてはいるが、やはり菊地成孔はその意味で、現代におけるジャズ理論啓蒙家として第一人者であろう。だが、濱瀬氏の『技法』はまったくわたしには歯が立たない。気分はわかるのであるが。

 駅南口の、初めて訪れる喫茶店で少しのあいだだけ読書。

 

チャーリー・パーカーの技法――インプロヴィゼーションの構造分析