ハービー・ハンコッックのDIRECTION MOLDE JAZZと秋の気配

夏を最後にブログを放置していたら秋を通り越してもう冬の手前に差し掛かっている。名古屋出張と仙台出張の合間に実家への帰省と某フォーラムの運営と登壇と、とても慌ただしく11月が過ぎてしまった。せっかく購入した秋のコートを着る時間などないほどに明日から寒くなりそうな気配だが、さて。

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ハービー・ハンコックブートレグ、DIRECTIONS IN MOLDE JAZZである。ハービー・ハンコックマイケル・ブレッカー、ロイ・ハーグローブがマイルスとコルトレーンの生誕75周年を記念して行なった2002年7月17日のノルウェー・ライブのサウンドボード録音。実は同じ企画のオフィシャル盤では2001年10月25日のトロント・マッセイホール・ライブ「Directions in Music」があるが、このブートレグの方が遥かに勝っている。

勝っていることの理由の一つは、オフィシャル盤のベースがジョン・パティトウッチなのに対して、ブートのベースがジョージ・ムラーツなのである。パティトウイッチがダメだというわけではない。むしろ、パティトウイッチは良いベーシストだ。だが、このオフィシャル盤のパティトウイッチは少し後ろにひき気味なのである。スローテンポ曲になるとほとんどベースの音が全面にでてこない。理由の2つ目は、ブートの方がハービーハンコックが圧倒的に弾きまくっている。全体のグルーブ感が全く異なるのである。したがって、オフィシャル盤はよく言えば全体的に穏やか、悪く言えば緊張感が、ない。

正直いって、僕はオフィシャル盤を持っていたことさえ忘れていたのだが、ブートレグを聴いたあとにCDラックからさがしだして、聞き直してみたらその差に愕然としたのである。

 

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